ももだよりMomo dayori

2021/12/01

伊達水蜜園

2代目が受け継ぐ伊達の桃

伊達市内で桃・サクランボ・リンゴ・カキ・ブドウを栽培する伊達水蜜園。桃の栽培面積は約2ヘクタールで、主力商品の「あかつき」をはじめ、早生種のはつひめ・日川白鳳・暁星、中生種のまどか・なつおとめ、晩生種の川中島白桃・ゆうぞらほか、黄肉種の黄金桃・黄貴妃(おうきひ)を栽培しています。伊達水蜜園は、もともと米や野菜を生産する農家で、果樹栽培を始めたのは先代から。現在30代という若さの2代目、佐藤佑樹さんが受け継ぎ、おいしい果樹の生産に取り組んでいます。

 

地域貢献から、おいしい桃づくりへ

佑樹さんが伊達水蜜園を継ぐことを決意したのは20代の時。映像の仕事を目指し都内にいた時に東日本大震災に遭い、地域貢献したいとふくしまに戻ることを決め、子どもの頃から手伝っていた農園を受け継ぎました。地域のためになんとかしたいと、がむしゃらに働いたものの、すぐには結果を出せず、ちゃんとしたものが作れるようになったのは5年目くらいからだったそうです。農業を一から学び感じたことは、何十年もかけて作るものづくりの楽しさ。「おいしいものを作りたい」と、常に学ぶ姿勢を大切にしています。地域貢献として始めた農業から、おいしいものづくりへ。挑戦は続きます。

 

 

樹を観察し、声を聞きながら

伊達水蜜園では土壌を分析し、必要な栄養素をバランスよく与えるようにしています。肥料には有機肥料を使用し、ニガリを散布することでミネラルを補給。また木酢液を土壌に散布することで微生物の活性化を促しています。追肥は1回の量を減らし、与えるのは必要な時期に必要な量だけ。樹を観察し、樹の声を聞きながら、過不足なく与えることで健康に育ち、おいしい桃の安定的な出荷につながっています。

 

伊達の桃が果樹農家の担い手を増やす

忙しい作業の合間を縫い、WebサイトやSNSで果樹の魅力を発信している佑樹さん。これから取り組みたいのは果樹農家の人材育成です。日本の農業の高齢化問題と後継者不足は深刻化していますが、伊達市も農業の後継者不足は課題のひとつ。佑樹さんは農業インターンシップの受け入れも視野に入れています。全国に誇れる桃づくりは、地域と人を繋ぎ、新たな実を結びそうです。

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