ももだよりMomo dayori

2021/12/01

斎藤 金一さん

桃づくりに取り組む16代目

伊達市月舘町は、阿武隈川の支流、広瀬川流域に位置します。うつくしま百名山のひとつ「女神山」や頂上に十一面観音を祀る「御幸山」など、自然豊かな山々に囲まれたのどかな地域です。斎藤果樹園園主・斎藤金一さんは斎藤家16代目。古くは養蚕を営んでいましたが、先代から果樹栽培に取り組み、現在は桃のほか、サクランボやリンゴを手がけています。桃の栽培面積は1.5ヘクタール。育てるのは「あかつき」や「まどか」「川中島白桃」など約10種類で、贈答用のほか道の駅などにも出荷しています。

 

樹上で熟しすべてを一人で収穫

桃はとてもデリケートで、完熟すると触れるだけで傷んでしまうことも。そのため完熟前の硬い状態で出荷されることも多い果物ですが、斎藤さんは「硬いうちに出荷したら追熟してもおいしくならない」と、なるべく樹上で熟します。地元の直売所には樹上完熟の桃を出荷しているとか。収穫は他人に任せず斎藤さんが桃の状態を見極め、甘く育ったものだけをていねいに収穫。そのため品質のバラつきが少ないのが斎藤果樹園の特徴です。こだわりの桃は、甘さも見た目も一味違います。

 

1本に1000個の果実

斎藤果樹園の圃場は広々としています。通常、桃は10アールに30本ほど植えるそうですが、斎藤さんの圃場は10アールに10本。通常の3分の1の間隔です。樹齢や成長具合に合わせ、枝は重ならないように剪定します。そのため斎藤果樹園の樹はのびのびと大きく枝を広げ、1本の樹には、なんと1000個の実がなるというから想像するだけでも圧巻です。

 

おいしい、は受け継がれていく

すべては「おいしい」の一言のために。斎藤さんは他県へも足を運び、栽培技術習得に励んできました。現在は斎藤果樹園で現地指導会を実施し、桃の個性に合わせた剪定方法などを指導しています。培った経験と高度な技術、手間を惜しまない姿勢はこうして受け継がれ、すべてにこだわった伊達の桃づくりは続いていきます。

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