ももだよりMomo dayori

生産者

ペシェエラ

ペシェエラ 松崎希海さん

 

脱サラして桃農家に

福島県伊達市で8品種の桃を栽培している「ペシェエラ」園主の松崎希海さん。

桃農家を始めたのは今から2年前、29歳のときでした。

転機となったのは、ご友人が農家を始めることになり「一緒にやらないか」と声をかけてくれたこと。サラリーマン時代から「自分で考えて動く仕事のほうが向いている」と感じていた松崎さんは、いつかは農業に挑戦したいと思いながらも、資金を貯めて35歳頃から始めようと考えていました。

そんな時、ご友人から「桃は1年に1回しか収穫できない。60年やっても60回しか挑戦できない」という言葉を聞きます。その一言で「時間を無駄にできない」と考え直し、思い切って農業の世界に飛び込む決心をしました。

 

運命のような桃との出会い

農業を始めた松崎さんを迎えたのは、「苦難の連続」ではなく、伊達市の温かい先輩農家たちでした。右も左もわからない松崎さんに、桃の育て方を一から教えてくれたり、必要な機械を格安で譲ってくれたりと、物事は驚くほどスムーズに進んでいったといいます。

「農業を始める上で一番の壁は、初期設備なんです。先輩方のおかげでその苦労がほとんどなかったのは、本当に幸運でした」と松崎さんは語ります。

「もし35歳から始めていたら、タイミングが合わずに機械を譲ってもらえなかったかもしれない」と振り返りながら、「運とご縁に恵まれた」と笑顔を見せました。

 

自然を相手にするということ

松崎さんのこれまでの一番の苦労は、農業の技術や桃への理解を深めること。

「自然を相手に商売をするのは本当に難しい。桃と自然とどう向き合うか、その答えはいまでも見つかっていません。だからこそ日々考え続けています」と語ります。

 

若手農家としての使命

「まだまだ勉強中の身ですが、先輩農家の皆さんから受けた恩を少しずつ返していきたい」と松崎さん。

高齢化が進む農業の現場で「高齢者ができないことは若手がやるしかない」と語り、伊達市の桃畑を守りながら新しい挑戦をしていきたいと意欲を見せます。

「ただ先輩方の背中を追いかけるだけでなく、新しい風を吹かせられるようになりたい。まずは伊達の硬い桃のおいしさを、全国に広めたいです」と力強く話してくれました。

 

次は自分が教える番に

「ペシェエラ」には現在、若いアルバイトスタッフが働いており、その方も農家に関心を持つようになったといいます。松崎さんは、少しずつ農業について教えながら「いつか自分が若手を支える番になる」との思いを強めています。

「伊達の桃のバトンを次の世代へつないでいきたい」——そんな思いを胸に、松崎さんは今日も桃の木の手入れに励んでいます。

 

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